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2020.2.11
パーキンソン病は、運動をつかさどる神経系統に異常が生じて、運動機能に障害が現われる病気。60歳代で発症することが多いようです。
パーキンソン病には、4つの特徴的な症状があります。病気の初期には「ふるえ」がみられることが多いのですが、進行すると、他にもさまざまな症状が現われるようになります。
●ふるえ(振戦)
片方の手にふるえがみられ、少し進行すると両手、足、ときにはあごにも現われる。安静時に起こり、何か動作をしようとすると止まる。病気の初期にもっとも多くみられる症状。
●こわばり
筋肉が固くなり(固縮)、特有の前かがみ姿勢になる。顔の筋肉も固くなるため表情が乏しくなる。話がしにくくなったり、食べ物を飲み込みにくくなることもある。
●動作が遅くなる
動きが少なく、また遅くなる。歩こうとしても最初の一歩がなかなか踏みだせず、小刻みな歩き方をする。また、一度歩きだすと今度は止まらなくなることがある。
●姿勢反射障害
身体が傾いたときに姿勢を立て直すことができないため、転びやすくなる。
そのほかにも、自律神経バランスの乱れなどにより、便秘・体温調節ができなくなる・発汗・立ちくらみ・うつ症状などがみられます。これらの症状の現われ方は、病気の進行の程度や個人差によってさまざまです。
リハビリと薬は、パーキンソン病の治療に欠かせない車の両輪です。パーキンソン病では、自分で考えているより動きが鈍くなり、放置すると病気の症状以上に体は動かなくなります。意識して運動し、悪化させないことが大切です。
歩ける人はウォーキングを毎日20~30分を目安に行い、体力を保ちます。パーキンソン病では、歩幅や腕の振りが小さくなったり、前かがみになりやすく、つま先から着地するので転びやすくなります。歩行のリハビリでは、意識して腕を大きく振り上げ、ひざを上げ、歩幅を大きくしてかかとから着地するようにします。歩こうとしてもなかなか第一歩を踏み出せない「すくみ足」がある場合は、「1・2、1・2」と声を出すと、脳のリズムをとる働きが補われて歩きやすくなります。周りの人に声をかけてもらったり、音楽に合わせるのもよいでしょう。リズム感の訓練には、行進曲のようなリズムのはっきりした音楽を聴くだけでも効果があります(音楽療法)。音楽と一緒にメトロノームを鳴らしてリズムを刻みながら、大きな動作で歩く訓練をするのも効果的です。
パーキンソン病では口やのどの動きが障害されるため、声が小さくなったり、言葉が出にくくなったりします。そのため、話し言葉のリハビリも大切です。自分でできるリハビリには、「本や新聞を大声で読む」「会話の機会を増やす」「カラオケで大声で歌う」などがあります。自分では声が小さくなっていることに気付きにくいので、やりすぎかと思うほど大きな声を出したり、ゆっくり話すよう心がけるとよいでしょう。患者さんの声が小さい場合は、家族が意識して大きな声でゆっくり話すようにすると、自然に大きな声で話すようになります。また、会話する機会を増やして、多く話してもらうのもよいでしょう。
言語聴覚士が指導する専門的な言葉のリハビリが行われている施設もあり、高い効果が実証されています。関心のある人は医師に相談してください。
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